目を擦る彼女の手を押さえ、耳元で囁いた
「もう別れよう」

彼の体温を感じながら、心の底から叫んだ
「イヤ。絶対にイヤ」

彼女を突き離し、もう一度告げる
「もう好きじゃない」

視界の彼がぼやけても、必死に訴えた
「私は好きだよ」

零れ落ちた雫を拭い、笑顔で言う
「俺も。…で、睫毛とれた？」



ポエム２４　120211「睫毛」

ほのかなる　月の光に　照らされて　心の影が　淡く滲む

月が笑うよ。
三月兎みたいに。
お空の月も笑っているよ。
ティーカップに注がれた、
とろけるようなオレンジ色の液体に
うつるあなたの顔も、
月のように、
兎のように、
笑っているのかしら。

ねぇ、教えて。

紡ぎたい歌がある。

届けたい声がある。

でも

私は歌えない。

私は声をだせないから。

だから

この想いは紡げない。

この想いは届かない。

どうか、どうか

かみさま、お願いです。

私に歌を。

私に声を。

声を聞かせて。あなたの声を。

私はここにいるから。ずっといるから。

声を聞かせて。こころの声を。

私はここにいるから。そばにいるから。

【る】
ルーレットがまわる。

ノワールの貴公子は微笑みながら
ルージュにチップのすべてを賭けた。

ルージュの令嬢は微笑みながら
ノワールに自分のすべてを賭けた。

カラカラ カタン…

勝者の笑い声。敗者の涙。

物語は、ここで幕切れ。

【れ】





12/01/20　詩りとり

耳をすませば
声がきこえる
心のせんりつ
私へとどいて
色がひびいた
赤 青 黄色
色をすませば
私がきこえる
心のせんりつ
声へとどいて
耳がひびいた

あの日の自分は幼くて、傷つけることしかできなかった。
この日の自分は苦しくて、もがきあがくことしかできない。
その日の自分は笑ってて、きっと幸せなのでしょう。

どの日の自分も必要だった。

そう、言える人生を。



１月１５日　ポエム２４　あの日の自分に